中尉丞(ちゅういじょう)は、古代中国の秦と前漢時代の紀元前104年までにあった官職である。首都警備をつかさどる中尉を補佐した。
解説
中尉は秦から前漢にあった官職で、首都の巡回・警備を任務とし、内外の戦争にも出征した。中尉丞は、中尉の補佐にあたり、定員は2人であった。中尉は太初元年(紀元前104年)に執金吾と改称したため、このとき中尉丞も執金吾丞と改称した。
これと別に、漢には諸侯王の国にも中尉があり、国の軍事・警察を統括した。この中尉は太初元年の改革でも変更がなく、後の王朝でも様々な王国に置かれた。王国の中尉の配下については詳しい記述がなく、中尉丞についた人も知られないが、あった可能性はある。
中尉丞の人物
- 楊僕 - 前漢、元狩4年(紀元前119年)まで。
脚注
参考文献
- 司馬遷『史記』
- 小竹文夫・小竹武夫訳『史記』1から8、筑摩書房、ちくま学芸文庫、1995年。
- 班固著、『漢書』
- 小竹武夫訳『漢書』1から8、筑摩書房、ちくま学芸文庫、1998年。
- 大庭脩監修、漢書百官公卿表研究会『『漢書』百官公卿表訳注』、朋友書店、2014年。




