ニーベンの定理(ニーベンのていり、英: Niven's theorem)は数学において度数法で0°≤θ≤90°の範囲で、θとsinθがともに有理数となるのは0°, 30°, 90°のみであるという定理である。イヴァン・ニーベンに因んで名付けられた。式で表せば、θとその正弦が有理数となるのは以下の場合のみである。

sin 0 = 0 , sin 30 = 1 2 , sin 90 = 1. {\displaystyle {\begin{aligned}\sin 0^{\circ }&=0,\\[10pt]\sin 30^{\circ }&={\frac {1}{2}},\\[10pt]\sin 90^{\circ }&=1.\end{aligned}}}

弧度法で表すと、0≤x≤π/2の範囲でx/πが有理数であるとき、sinxが有理数となるときはsin0=0, sinπ/6=1/2, sinπ/2=1である場合のみである。

この定理はニーベンの書籍 Irrational numbers (『無理数』)の系3.12に書かれている。

一般角に拡張して書くこともできる。有理数θにおいて、θの正弦または余弦が取る有理数値は0,±1/2,±1に限られる。また、正割または余割が取る有理数値は±1,±2に限られる。正接または余接が取る有理数値は0,±1に限られる。

歴史

ニーベンの証明は彼の書籍 Irrational Numbers に示されている。しかしニーベンの証明以前に、D・H・レーマーやオルムステッド(J. M. H. Olmstead)によって証明されていた。1933年のレーマーの書籍では、レーマーは余弦においてより一般の結果を証明している。具体的には、互いに素な整数 k , n ( n > 2 ) {\displaystyle k,n\,(n>2)} に対して、 2 cos ( 2 π k / n ) {\displaystyle 2\cos(2\pi k/n)} φ ( n ) / 2 {\displaystyle \varphi (n)/2} 次の代数的数である。ただし φ {\displaystyle \varphi } はトーシェント関数。有理数は1次の代数的数であるから、 n 2 {\displaystyle n\leq 2} または φ ( n ) = 2 {\displaystyle \varphi (n)=2} が必要となり、 n = 1 , 2 , 3 , 4 , 6 {\displaystyle n=1,2,3,4,6} の場合のみが残る。これらを個々に確かめることにより、ニーベンの定理の主張を得る。次に彼は sin ( θ ) = cos ( θ π / 2 ) {\displaystyle \sin(\theta )=\cos(\theta -\pi /2)} を用いて正弦についての結果を得た。1956年、ニーベンはレーマーの結果を他の三角関数に拡張した。 他の数学者はその後、新しい証明を発表している。

関連項目

  • ピタゴラス数 - ピタゴラス三角形のもつ鋭角は有理数度にならないことが定理からわかる。
  • 三角関数
  • 三角法数

出典

参考文献

  • Olmsted, J. M. H. (1945). “Rational values of trigonometric functions”. The American Mathematical Monthly 52 (9): 507–508. JSTOR 2304540. 
  • Jahnel, Jörg. "When is the (co)sine of a rational angle equal to a rational number?". arXiv:1006.2938 [math.HO]。

外部リンク

  • Weisstein, Eric W. "Niven's Theorem". mathworld.wolfram.com (英語).
  • Niven's Theorem at ProofWiki

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