『Mr.Boo!ミスター・ブー』(原題:半斤八両、英題:The Private Eyes)は、ホイ兄弟演じる私立探偵のドタバタ活躍を描く、1976年のコメディ香港映画。
ゴールデン・ハーベスト製作のホイ兄弟作品としては3作目だが、日本においては1979年2月に本作が最初に公開されてヒットしたことから、「Mr.Boo!」シリーズ第1弾と紹介されている。
あらすじ
ウォン(マイケル・ホイ)は香港の私立探偵。助手チョンボ(リッキー・ホイ)と秘書ジャッキー(テレサ・チュウ)とともに探偵事務所を営んでいるが、持ち込まれるのは浮気や万引きなどのケチな事件ばかり。
そんなウォンの零細事務所へ、カンフーの得意なお調子者キット(サミュエル・ホイ)が求職に訪れる。一度は断ったウォンだったが、直後に起きたスリ騒ぎでの鮮やかな対応を見て渋々雇い入れる。
二人の助手をこき使い、相変わらずせこい事件を体当たりで解決していくウォン。次の調査は映画館への爆弾脅迫事件。だが、その映画館には脅迫犯のみならず、凶悪な強盗団も狙いをつけていた。
スタッフ
- 監督・脚本:マイケル・ホイ(許冠文)
- 製作:レイモンド・チョウ(鄒文懐)
- 撮影:チャン・ヤオ・チュウ(張耀祖)
- 音楽:サミュエル・ホイ(許冠傑)、ザ・ロータス(蓮花楽隊)
- 応援監督:ジョン・ウー(呉字森)
- 武術指導:サモ・ハン・キンポー(洪金寶)
- 日本公開版ポスターデザイン:太田宏明(現:ファロ・夢)
- 日本公開版イメージソング:Mr.BOO&CHAN CHAN BROTHERS BAND「Mr.BOO!」
- 原曲:半斤八兩(The Private Eyes)作詞・作曲:サミュエル・ホイ (許冠傑)
- 訳詞:赤塚不二夫
キャスト
- 日本語吹き替え版 - 初回放送1981年5月2日、フジテレビ『ゴールデン洋画劇場』
- 字幕翻訳 - 矢野留美子
- 吹替翻訳 - 山田実
- DVD版 - 2001年にスパイクドラゴンより初DVD化。日本語の吹き替え音声は未収録だが英語版の音声を収録しており、サミュエル・ホイが歌う主題歌の英語版を聴くことが出来る。2005年8月26日に『Mr.BOO ! DVD-BOX』(5,000セット限定生産)として発売時、フジテレビ放送版の日本語音声を初収録しDVD化(ただし、編集はオリジナル版に基づく)。その後、2007年5月10日に単品廉価版発売。
エピソード
- 作品の随所に『ジョーズ』、『燃えよドラゴン』、『007』、『刑事コロンボ』、『ピンク・パンサー』、『荒野の七人(七人の侍)』、『スパイ大作戦』等のパロディが見受けられる。
- 『燃えよドラゴン』で悪の首領ハン役でブルース・リーと激闘を演じたシー・キエンが強盗団のとぼけたボス役を好演している。
- 警察署長役で出演したリチャード・ンは、その後ジャッキー・チェン主演のスパルタンX・五福星・大福星等に出演し、当地の主演男優賞を受賞するなど、香港映画界に欠かせない存在となった。
- 日本での初公開は「グリーン・ホーネット/電光石火」との同時上映であった。
- 『ゴールデン洋画劇場』はタレントによる吹き替えに積極的であり、本作にもツービートが起用された。ツービートの人気と話題性に加え、当時のビートたけしがサミュエルに似ているとの関連性もあった。
- マイケル役の広川太一郎は、「元がつまらないギャグ映画だったので『モンティ・パイソン』みたいに本編と関係なく徹底的にふざけた声にしようと思った」と回想している。
- 日本劇場公開第3弾となった『Mr.Boo!ギャンブル大将』には、香港オリジナル版からカット(差し替え)されたシーンがある。そのサミュエルとサモ・ハン・キンポーとの乱闘シーンは、本作の日本劇場公開時に挿入され、フジテレビ放映版にも採用された。当該シーンは本作のビデオソフトには未収録だが、『Mr.Boo!ギャンブル大将』のDVDに特典映像として収録されている(ただし字幕のみ)。
- 公開当時の日本版レコードおよび映画パンフレットに、「BOOになる心得(十カ条)」として以下が掲載された。
- 永遠に二枚目でない男であること。
- ケチ、しかし貯金はゼロの男であること。
- 吉野屋の牛丼と、養老の滝の牛丼、どちらがうまいか毎日食べ比べてみるような男であること。
- カラオケで「うまい!プロになれ」と言われて、本当にレコード会社に売り込みに行くような男であること。
- 時々、ネクタイのしめ方を忘れて鏡の前で1時間、真剣に悩むような男であること。
- 「人生はかけだ」とえらそうなことをいいながらパチンコをやり、いつも負けて後悔するような男であること。
- 女性には全く関心がないような顔をして、毎日パンツを変え、エチケットライオンと、ワキガを気にして8×4を欠かさず使用するような男であること。
- もちろん女を愛し、男にも同等の愛情行為を向けられるような男であること。
- 映画は東和しか見ないといいながら、何とかタダで映画を見ようと努力するような男であること。
- 決して、人を憎まないいい性格の男であること。
- 1981年の映画『駅 STATION』で本作品の映像が流用されている。
関連項目
- Mr.Boo!
脚注
注釈
出典
外部リンク
- Mr.Boo!ミスター・ブー - allcinema
- Mr.Boo!ミスター・ブー - KINENOTE
- 半斤八两 - オールムービー(英語)
- 半斤八两 - IMDb(英語)


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