近頃なぜかチャールストン』(ちかごろなぜかチャールストン)は、1981年に公開された日本映画。喜八プロ・ATG制作、ATG配給で、監督は岡本喜八。白黒映画。

軽妙なタッチの中に、戦争への批判、戦前派・戦中派の心境、日本の平和呆けへの戒めを込めた喜劇作品。

あらすじ

不良少年の小此木次郎は、婦女暴行未遂を働いて留置場に放り込まれた。留置場には、日本人であることを捨てた、自称「ヤマタイ国」の閣僚を名乗る6人の老人たちがいて、彼らは日本の国会議事堂に表敬訪問に訪れた際、無銭飲食で捕まったのだった。翌朝、次郎と老人たちは釈放されるが、「ヤマタイ国」が気になる次郎は彼らの住処を訪れ、「不法入国」で捕まってしまう。スパイ容疑による死刑を何とか免れた次郎は、「ヤマタイ国」の労働大臣(雑用係)に任命され、老人たちとの奇妙な共同生活を始める・・・。

スタッフ

  • 製作・監督・脚本:岡本喜八
  • 製作:佐々木史朗
  • 脚本・監督助手:利重剛
  • 音楽:佐藤勝
  • 撮影:加藤雄大
  • 助監督:武内孝吉

キャスト

  • 小此木次郎:利重剛
  • タミ子:古舘ゆき
  • 大作刑事:財津一郎
  • 中町刑事:本田博太郎
  • 内閣総理大臣:小沢栄太郎
  • 陸軍大臣:田中邦衛
  • 文部大臣:殿山泰司
  • 外務大臣:今福将雄
  • 大蔵大臣:千石規子
  • 逓信大臣:堺左千夫
  • 内閣書記官長:岸田森
  • 寺尾市議会議員:平田昭彦
  • 小此木宗親:藤木悠
  • 殺し屋・飯室:寺田農
  • 警察署長:滝田裕介

製作

1981年の始めに製作費1,000万映画で有名なATGが、「今、1000万円で何が可能か?」を探るべく、「もう一度1,000万映画」というコンセプトで、1981年の1,000万映画として、『ガキ帝国』『九月の冗談クラブバンド』『生きてゐる小平次』『KID NAPING BLUES(誘拐の唄)』(全て発表時のタイトル)とともに5本のうちの1本として製作を発表した。1979年にATG二代目社長になった佐々木史朗のアイデアで、佐々木は「あくまで方法の実験。かつてのATGのテツを踏むつもりはない。恒常化して同じ監督に又やってもらうつもりもない。アイデアがある程度出切ったらピリオドを打つ」などと述べた。当時映画を1,000万円で作るということは、常識を打ち破るような"発想の転換"や"アイデア"が必要条件となり、スタッフ等にしわ寄せが来ると予想された。本作の内容は「それからの『肉弾』ともいうべき中高年のバラード」と説明があった。また5本はいずれも東京ではシネマ・プラセットで公開すると発表された。

撮影

制作資金の不足からセットが組めなかったため、岡本監督の自宅がそのまま撮影に使用されている。人員を大幅に圧縮し、白黒16ミリで撮影し、劇場公開用の35ミリにブロー・アップした。また時速8カットの速撮を試みるなど四苦八苦の撮影だったという。

作品の評価

『シティロード』は「近頃流行のフワフワ映画の逆手をとったというか、登場人物の大半はオジン。雰囲気を出すための小物なんてチャラチャラしたものはなく、モノクロ画面が一層スッキリとした印象で中々快い。多少、感覚的に古いか…」などと評している。

脚注

外部リンク

  • 近頃なぜかチャールストン - allcinema
  • 近頃なぜかチャールストン - KINENOTE

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(映画「近頃なぜかチャールストン」(1981)より。)