『RimWorld』は、カナダのLudeon Studiosより発売されたシミュレーションゲーム。Tynan SylvesterとLudeon Studiosにより、2013年11月4日に一般に公開されて以降、様々な改善がなされてきた。
ゲームの舞台は遠い未来。宇宙船の事故により脱出ポッドで荒野の惑星「リムワールド」に不時着した3人の生存者(入植者)がコロニーを建設し、宇宙船を手にしてリムワールドから帰還することを目的とする。RimWorldには、入植者の気分や傷病状態、金属や木、石、布などを使用した建築、武器や衣服の製造、敵対派閥からの襲撃、暴れまわる動物、古代の殺人機械、可愛いペットなど、多種多様な要素が存在する。
ゲーム内容
ゲームの舞台は、荒野の惑星「リムワールド」である。プレイヤーは、「入植者」と呼ばれるキャラクターに適切に仕事を割り振り、指示してコロニーを運営していく。
ストーリーとイベント
RimWorldでは、「AIストーリーテラー」と呼ばれるAIが、プレイヤーの状況を分析し、楽しいと思える展開になるように様々なイベントを引き起こすようになっている。いわゆるゲームの難易度設定にあたるものであり、プレイヤーに緊張や試練、達成感をもたらすものとしてゲームに用意されている。引き起こすイベントは多種多様であり、例えば敵や動物の襲撃、資源の落下、トレーダーの到着、太陽フレアなどが挙げられる。
AIストーリーテラーは以下の3種類が存在し、プレイヤー自身が選択することができる。
- カサンドラ クラシック
- 良いイベントと悪いイベントがバランスよく発生する、スタンダードなストーリーテラー。
- フェーベ ベースビルダー
- 比較的小さな脅威しかもたらさないストーリーテラー。
- ランディ ランダム
- 完全にランダムでイベントを起こすストーリーテラー。
世界
RimWorldでは、極から赤道まで惑星全体が生成される。惑星はゲーム開始時に生成されるランダムシードによって、手続き型生成される。惑星は200×150で区切られたマス目で構成されており、1マス1マスにバイオームが設定されている。
惑星には、ツンドラや砂漠、森林、ジャングルなど、様々なバイオームが存在する。場所によって居る動物や植生、病気、気温、地形などが異なる。ゲーム開始時に脱出ポッドで着陸するマスを選べるほか、入植者や家畜でキャラバンを作って移動することもできる。
入植者
入植者はスキル、生い立ち、才能・性格などのステータスを持つ。プレイヤーは、入植者に施設の建造や物資の運搬などの作業を指示でき、様々な行動を行わせることでコロニーを発展させていく。
入植者は客船の事故から生還した生存者であるため、職業や得意なスキルはバラバラである。例えば、農家は食料の育て方を知っているが、研究を行うことは出来ない。このステータスによって、入植者に個性が付与される。スキルには銃を扱う「射撃」、近接戦闘を行う「格闘」、様々なものを製造する「工芸」などの種類が存在し、これらは入植者自身が行った行動によって経験値を得て、スキルを磨くことができる。入植者はスキルに対して情熱を持っていることがあり、情熱を持っているとスキルが伸びやすくなる。才能・性格は作業速度が上がる「勤労者」や、夜中に活動する「よたか」などがあり、これらは入植者に対してメリット、デメリットがある。
また、入植者は健康状態として「心情」と「健康」のパラメータを持つ。心情は、入植者の思考によって変動するゲージである。食事や睡眠といった欲求に関係し、美味しい物の摂取、他の入植者からの侮辱、冷暖房の不備、身内の死去、痛みなど、入植者の周囲で起こる様々な事象によって心情が上下する。心情が低いと精神崩壊を起こす。精神崩壊中の入植者は、プレイヤーの指示を全く受け付けなくなり、物を破壊する、暴飲暴食をする、部屋に引きこもるなどの不良行動を取り、深刻なものでは他の入植者を殺害するなどの致命的な行動を起こすこともある。健康は、腕の欠損などの身体的な傷病状態のことである。ベッドで看護を受けたり、場合によっては義肢や人工臓器の移植を行って治すことができる。傷病を持っているとデバフがかかり、例えば腕が欠損していると作業速度や作業の正確性が失われる。
戦闘
敵や動物からの襲撃や、敵のコロニーへの襲撃などの要素によって、ゲームでは戦闘が発生することがある。入植者には武器を1つ持たせることができる。武器には棍棒や弓といった原始的なものから、軍用ライフルや狙撃銃といった近代的なものまで様々である。
入植者は徴兵することで戦闘状態に移行し、敵を攻撃する。例えば遠距離武器であれば、敵との距離、遮蔽物の有無、明るさなどの要素で命中率が変動する、流れ弾が当たると建造物や他の入植者を傷つけてしまうなど、戦闘は細部まで作りこまれている。都市設計によりキルゾーンを作成するといったタワーディフェンスの要素もある。
Mod
RimWorldは、Modが公式に許可されている。公式ホームページとSteamにModの配布ページがあり、2024年4月現在Steamには2万個を超えるModが存在する。RimWorldのModは、ゲームを便利にするものから世界観を作り変えてしまうものまで多種多様である。
移植版
RimWorldは、PlayStation 4、Xbox OneおよびXbox Series X/Sに移植されている。
開発
RimWorldは、ファイヤーフライ 宇宙大戦争のスペース・ウェスタンな雰囲気、Dwarf Fortressの奥深いシミュレーション、DUNE/デューン 砂の惑星やウォーハンマー40,000の壮大なスケールに影響を受けている。
評価
レビュー収集サイトのMetacriticによると、PC版のRimWorldは「Generally Favorable」(概ね好意的なレビュー)の評価を、Xbox One版は「Universal Acclaim」(普遍的な称賛)の評価を受けている。
IGNの野村光は、このゲームを9/10と評価し、「経営シミュレーションのオールインワンパッケージ」だと評した。存在感のある入植者や物語性、繰り返し遊べることなどを高く評価した一方、プレイヤーの想像力を要するため、他のゲームよりも親しみにくいという難点があると指摘した。
PC GamerのSam Greerは、このゲームを74/100と評価し、「豊かなコロニーシム」と評した。ゲームで発生する予期せぬ出来事やそれによって発生するドラマは面白いとして全体的には好意的な評価を下しているが、序盤のゲームの操作性について否定的な意見を示した。
受賞歴
RimWorldは2016年、Indie DBの「Indie of the Year」に選ばれた。2018年にはSteamの「Top User-Rated Game」に選ばれた。また、22nd Annual D.I.C.E. Awardsでは「Strategy/Simulation Game of the Year」にノミネートした。2020年には、Rock, Paper, Shotgunが発表した記事「PCで遊べる最高の経営ゲーム20選」で1位に選ばれた。
売上
2018年の2月、Tynan SylvesterはRimWorldの売上本数が100万本を突破したと発表した 。また、2020年8月までにRimWorldの売り上げが1億ドルを超えたと推定され、Steamで最も人気のあるインディーゲームの1つになった。
ダウンロードコンテンツ
RimWorldには、いくつかのダウンロードコンテンツ(DLC)が存在する。
2020年2月24日、バージョン1.1のアップデートと同時に初のDLCである「Royalty」のリリースが発表された。このDLCでは、超高度な文明を持つ帝国が出現する。帝国の爵位、許可証、クエストといった要素、超能力、「メカノイドクラスター」と呼ばれる新たな脅威や、新しい音楽といった要素が含まれている。
2021年7月5日、バージョン1.3のアップデートと同時に2つ目のDLCである「Ideology」のリリースが発表された。このDLCでは、入植者各々の思想体系が追加される。思想体系のミームや戒律、社会的役割、儀式、レリック、新しい建造物といった要素が含まれている。
2022年10月6日、バージョン1.4のアップデートと同時に3つ目のDLCである「Biotech」のリリースが発表された。このDLCでは、遺伝子に関する様々な要素が追加される。入植者同士の子供や遺伝子操作、遺伝子が改変された人間であるゼノヒューマンといった要素が含まれている。
2024年3月14日、バージョン1.5のアップデートと同時に4つ目のDLCである「Anomaly」のリリースが発表された。このDLCでは、闇のモノリスによって引き起こされる「狂気」が追加される。マップ全体を覆い隠す肉塊、寄生されると精神を支配される生物といったホラーの要素が含まれている。
注釈
脚注
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- Rimworld - Steam
- RimWorld Console Edition(@RimworldConsole) - X(旧Twitter)
- RimWorld Wiki(公式)




