ランシット駅(ランシットえき、タイ語:สถานีรถไฟรังสิต)はタイ王国中部パトゥムターニー県タンヤブリー郡にある、タイ国有鉄道北本線及びダークレッドラインの駅。
概要
北本線の当駅 - バーンパーチー駅間は、1994年から2004年の改良工事で三線化されている。
当駅以南の区間については、1990年に開始されたホープウェル計画により、北本線当駅 - ヨムマラート(北本線・東線の接続予定地点) - 東線フアマーク駅間の高架化が行われる予定であったが、進捗の大幅な遅延のため同計画の事業免許は1997年に取り消され、高架化は中断した。
その後、バンコクの都市鉄道整備計画では、タイ国鉄北本線沿いにバンコク北方へ向かう路線を「ダークレッドライン(濃赤線)」として整備することとなり、第1期区間のバーンスー(現・クルンテープ・アピワット中央) - ランシット間について2010年に入札を実施した。タイ国鉄在来線の乗入れが可能な規格により、高架化・電化された都市鉄道を建設するものである。
ダークレッドラインの第1期区間であるバーンスー - ランシット間は2021年8月2日に無料運行が開始された。同年11月29日より運賃を徴取し正式開業した。
歴史
1897年3月26日にタイ官営鉄道最初の区間が、クルンテープ - (現)アユタヤ間に開業した。
- 同時開業したクローンランシット停車場はタイで最も古い駅のひとつであったが、当駅開業ののちに停車場は廃止された。当駅から約1 km南側に位置していた。
- 1897年3月26日 【開業】クルンテープ -(現)アユタヤ (71.08 km)
- 1994年 7月10日 初代ランシット駅開業
- 2020年
- 9月15日 クローンランシット停車場が廃止
- 12月17日 初代ランシット駅から北300mの地点に移転し、新たな橋上駅舎が供用開始。
- 2021年
- 8月2日 - ダークレッドラインの運行開始。
- 11月29日 - ダークレッドライン正式開業。
駅構造
3層構造の高架駅かつ地上駅で、乗換駅機能を備える。G階(1階)が駅出入り口と本線(北本線・東北本線)中長距離列車用ホーム、2階がコンコース、3階がダークレッドライン用ホームとなっている。2階には、自動券売機、改札口がある。G階に5 - 8番線(2面4線)、3階に1 - 4番線(2面4線)の計4面8線が設置されている。
のりば
旧駅時代
2000年時点は単式及び島式2面の複合型ホーム3面4線をもつ地上駅であり、駅舎はホームに面していた。
配線
本線
当駅の北側からはバーンパーチー駅に至る三線区間となり、南側はダークレッドラインを含め複々線となる。当駅構内において両者の線路は接続されていない。
ダークレッドライン
当駅の北側には折返し線が備わる。さらに北側で地上に降下後、在来線併設の延伸予定区間となる。現在の末端部は操車場としても機能する。 南側は地上へ降下し、ラックホック駅へ至る。
駅周辺
- ランシットマーケット
- スーチャートマーケット
- ポルノパットマーケット
- ミルマーケット
- プラチャティパット病院
- パトゥムウェート病院
- パオロ病院ランシット
- ナコーンランシット市立幼稚園
- ランサリットバイリンガルスクール
- ワークポイントエンターテインメント
- プレムプラチャ寺院
- フューチャーパークランシット
- メジャー・シネプレックスランシット店
- テスコ・ロータスランシット店
- ボスホテル
- ホップインランシットホテル
- ノボテルバンコクフューチャーパークランシット
- やや離れてはいるが、クローンルワン郡に立ち並ぶナワナコーン工業団地やサイエンスパークの最寄り駅のひとつである。
- タイ国立科学博物館(NSM) - (20 km)
- タイ国家計量標準機関(NIMT) - (20 km)
- ラジャマンガラ工科大学 タンヤブリ校(RMUTT) - (18 km)
隣の駅
- タイ国有鉄道
- ダークレッドライン
- トゥンソンホン駅 (RN09) - ランシット駅 (RN10)
- 北本線、東北本線
- ドンムアン駅 - ランシット駅 - クローンヌーン停車場
注釈
脚注
参考文献
- 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)ISBN 978-4-87698-848-8
- 渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 (文芸社、2013年)ISBN 978-4-286-13041-5
関連項目
- タイの鉄道駅一覧




